不妊治療とお酒の関係は?
年末年始はお酒を飲む機会が激増しますが、妊活中のみなさんはいかがですか?
控えめにされましたか、それともこの時期だけは特別と痛飲されましたか。
不妊とアルコールの関係は必ず取沙汰されますが、適量だったらOK、と安心していませんか?
人間の身体にとってアルコールはどんな影響を及ぼすのでしょう。
これから妊活、今まさに妊活中の方にはぜひ知っていただきたいお酒について。
まず、お酒は何を飲もうとアルコールですから、身体の中で分解されないといけません。
ただ、(東南)アジア人はもともとこの分解が苦手な人が多いのです。
アルコールを摂取すると、胃や腸で吸収され、血管を通って肝臓に送られ、アルコール脱水素酵素によって分解されます。
そのときに生成されるのが悪名高いアセトアルデヒドですね。
これは有害物質なので、肝臓でアセトアルデヒド脱水素酵素によってまた分解されて、酢酸になり、さらに分解されて水と二酸化炭素になって、やっと体外に排出されます。
ところが、このアセトアルデヒド脱水素酵素が生まれつき十分でなかったり、欠損があってちゃんと働かない人が多いということなのです。
有害物質が排出できないわけですよね。
この物質はDNAを損傷することがわかっており、さらにDNAの修復という機能もうまく働かないというのです。
アルコールによって損傷したDNAが二度と元に戻らないそうです。
いかに妊活に悪影響を与えるか、想像できますよね・・・。
適量さえ守れば、といいますが、ちゃんとこの酵素があって働いてくれる人はいいのですが、そんな人ばかりではありません。
分解酵素の力は個人差がものすごくあります。
そして、成人男性の標準体重で換算している標準の適量を女性にあてはめたらいかがでしょう?
ひょっとしたらご自身の許容量をオーバーしていませんか?
あるいは、全然許容(=分解)できないのに摂取していませんか?
女性のみなさんは禁酒される方がほとんどなのですが、パートナーの方々はあまり聞きませんね・・・。
生殖において、男性の役割はDNAを届けることに尽きます。
不妊治療でも、そこが一番の仕事になります。
その唯一の仕事が、お酒によって妨げられるとしたら・・・。
また、幹細胞のDNA損傷は生殖面だけに関係しているわけではありません。
がんのリスクを高めることがわかっています。
WHO(世界保健機関)の評価(2007年)で、口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。
他にも、メタボ、肝臓病、膵臓病、循環器疾患、うつや認知症、消化器疾患、痛風などなど、多くの病症にアルコールが関係していると考えられています。
妊活の真っ最中だとあまり先のことに目が向いていないかもしれませんが、これから妊娠、出産すると考えると、20年、30年先の健康が必須なのは明らかですね。
ただでさえ妊活高齢化しているのですから、>できるだけのもベビ待ちさんの大きな仕事となります。
これからの健康促進、維持は妊活カップルにとって重大なタスクなのです。
そのために、不妊とアルコールの関係について再考してください。
飲んでも大丈夫な体質ですか?
大丈夫でも、量を過ごしていませんか?
ぜひ、ご夫婦で話し合ってみてくださいね。