ひょっとして依存症? 不妊のリスクを知ろう!
男性不妊専門のドクターが度々言われているのが「アルコールは量さえ守ればよいが、タバコは1本でもダメ」 ということ。
タバコはオシャレでもクールでもなく、健康を害するワースト1というのは確かです。
でも、ニコチン中毒になってしまうと、自力では禁煙できないのです。
依存症になると自力では辞められません。
現代は禁煙ブーム、そして分煙の徹底など、スモーカーにとっては手厳しい社会となってきました。
家族からのブーイングも激しいですよね。
少しでもマシかと加熱式タバコや電子タバコに乗り換える方も多いです。
若い人たちにけっこう人気ですよね。
煙が抑えられ、身体にも悪くなさそう・・・?!
と思われてきましたが、実は世の中に出回るようになってまだ新しい次世代タバコは人体実験中だったのです。
すでにアメリカでは電子タバコがかなり問題視されるようになっています。
フレーバー付きの電子タバコの健康被害として、米国疾病予防管理センター(CDC)は48州と1つの米国領において1080の肺損傷例と15州で18人の死亡を報告しています(2019年10月3日時点)。
死亡、です。
また、電子タバコ歴1年半の18歳男性が突然嘔吐と呼吸困難のために入院治療を受け、彼の肺は70歳の状態で、入院が2,3日遅ければ手遅れになっていたかもしれないという記事もありました。
電子タバコにはタバコの葉は使われておらず(ニコチンは発生しません)、リキッドといわれる液体を熱することで発生する水蒸気を吸い込むものです。(ニコチン含有のものもあるのですが)
さまざまなフレーバーがありますが、どうも添加されている物質に問題があるようです。
日本では〇〇コスに代表される加熱式タバコが大人気です。(〇〇コス世界シェアの96%が日本で販売されています)
こちらはタバコの葉を加熱し、その蒸気を吸引するものです。
燃やさないのでタールは発生しませんが、ニコチンは含まれています。
こちらのほうが、より従来のタバコに近いです。=ニコチン中毒になります。
日本ではニコチン含有の電子タバコは禁止のはずですが、個人輸入はされているようで、意外と出回っているようです。
新型タバコなら有害な物質が少ないから健康被害も出にくい=身体に悪くない、と考える方が多くて驚きます。
実は発がん性の評価は紙巻きタバコと変わらないのです。
むしろ、尿中のニコチン代謝物の量は、加熱式タバコ喫煙者のほうが多いとのことです。
また、「禁煙成功率」も低いそうですよ。
家族が心配な受動喫煙ですが、「新型」のためにデータがまだ無い、というのが現状です。
「煙が出にくいのだから安全だろう」と開き直る向きもありますが、そもそも受動喫煙に安全なレベルはありません。
こうした事実を冷静に受け止め、1日でも早く禁煙しなければ、喫煙当事者も家族も健康被害を被るのは時間の問題です。
そして、喫煙は男性不妊の大きな原因なのです。
精子濃度、運動率、奇形率、どれをとっても喫煙の悪影響が出ます。
また精子のDNA構造が傷つけられる恐れがあり、流産率も高まります。
副流煙はパートナーと胎児の健康を危険にさらします。
それでもなお禁煙できないのは、ニコチン中毒、依存症だからです。
すでに病気ですので、医療の力を借りるべきです。
禁煙を懇願しても「やめる気が無さそう」「聞いてくれない」と悲しんでいるパートナーのみなさん、相手は病気です。
本人というよりは病気と闘うつもりで対応してください。
そして飲酒に寛大な日本では、お酒は飲めたほうがいいという価値観があるようです。
黄色人種はアルコールの解毒が体質的に苦手な人が多いにも関わらず、“飲みニケーション”などと言って飲酒が奨励される文化的な背景があります。
サラリーマンが仕事の後にへべれけになるまで飲みすぎて醜態をさらしても笑って許されるところがあります。
海外では考えられないことだそうです。
宴会だけでなく自宅でも晩酌を習慣にする方が多く、1日も欠かさずに、という話もよく聞きます。
まだ小さな缶ビール1本を二人でシェアするくらいならいいのですが、一人で500ml缶を最低2本とか!
日本ではお酒に強いと“酒豪”とか呼ばれて崇められたりすることもあって見過ごされることがよくありますが、案外隠れアルコール中毒の方が多いように感じます。
「いつでも辞めれる」とか言いながら、1日も休肝日を設けず、時には酩酊することがあるようなら疑わしいです。
お酒は適量なら妊活に支障をきたすことはありません。
でも多すぎると明らかに精液所見にも影響が出ますし、不妊の原因となります。
じゃあ適量ってどのくらいなの?という話ですが、一応1日平均純アルコールで約20g(厚生労働省)といわれています。
ただし、人によってアルコール分解速度は違いますし、そもそも体重も個人差があるので、誰もが同じ量を守ればOKというわけではありません。
要は自分にとっての適量を把握して、それを守ることが大事なのです。
そして必ず休肝日を週に2日以上設けることです。
それが守れないなら、やっぱり隠れアルコール依存症の可能性が高いです。
ぜひとも知っていただきたいのは、タバコやアルコールなどの依存症は病気なので、決して意志の力で禁煙したり禁酒できたりするものではありません。
本人の意志が弱いとか、一番近くにいるパートナーなのに辞めさせられないと自分を責めるとか、そういった誤解は解いて、医療やAA(アルコール依存症患者の自助グループ)、断酒会などの介入や相談を強くおすすめします。
心当たりがあり、妊娠を目指すカップルであれば、まずは禁煙、禁酒(適量ならOK)です。
タバコやアルコールのリスクを知るところからスタートかもしれませんが、元気な赤ちゃんを授かるために必須です。
お二人の将来にも関わることですので、諦めずにいきましょう!
応援しますよ(^^)/