お酒に強くなれる?
お酒が飲める/飲めないは好き嫌いと関係なく、素質があるかないか、なんです!
お酒の味や酒宴の雰囲気が大好きという方でも、飲めない体質であれば無理して飲まないのが賢明ですよ。
いくら練習しても、訓練しても、強くはなれないのですから。
すぐ顔が赤くなる方は厳重注意です。
(なかには真っ赤になっても構わず飲み続ける方もおられますが・・・)
お酒の強い/弱いは、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドという物質をさらに分解する酵素の活性型によるのです。
アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)といいますが、これの低活性型、不活性型の方は飲酒向きの身体ではないということですね。
といっても落ち込む必要はまったくありませんよ!
日本人(モンゴロイド)は半数近くがALDH2低活性または不活性型なんです。
お酒弱くて当たり前、なんですから。
この酵素の活性型は遺伝なので、本人の努力や訓練でどうこうなるということは決してありません。
たくさん飲める人はご自身の才能というわけではなく、単に遺伝ですから・・・(^^)
ちょっと飲んだだけで赤くなる方はALDH2低活性型なので、アルコールは自分には毒だと自覚していただいたほうがいいですよ!
また、遺伝による体質だけでなく、加齢でもだんだん弱くなるものですし、男女差もあります。
厚生労働省が定める「節度ある適度な飲酒」は、純アルコールで1日20g程度、女性ではその半分程度ということです。
女性は半分!
急性アルコール中毒やさまざまな疾患、またアルコール依存症も女性のほうが発症リスクが大きいんです。
どんな疾患かというと、心臓病、脳出血、脳梗塞、高血圧、糖尿病、肝臓病(肝硬変、肝がん)、通風、逆流性胃食道炎、下痢、膵臓病、がん、認知症、不妊、などと言われています。
1日20gのアルコールと言われてもイメージが湧きませんね。
純アルコール20g相当の目安はこんな感じです。
ビール:中瓶1本(500mL)
日本酒:1合(180mL)
ワイン:2杯(240mL)
焼酎(35度):半合(90mL)
ウイスキー:ダブル1杯(60mL)
繰り返しますが、女性は半分!、ですよ!
酒豪の方からすると、たったこれだけ? というところでしょうか。
男女を問わず、持ち前の酵素はこの何倍も分解する能力があるかもしれません。
それでも肝臓は毎日働き続けているわけですから、長年の飲酒習慣が与える影響は想像以上に大きいと考えてくださいね。
肝臓は沈黙の臓器です。
何も予兆がないまま肝硬変を発症し、そうなったらもう逆戻りはできないんです。
肝臓はアルコールの分解だけが仕事ではありませんので、その他の(むしろその他の仕事のほうが大事)機能がやられてしまうのが致命的なんです。
そうならないように、いくら強くても肝臓は休ませてあげないといけませんね。
少なくても週に1日、できれば連続して2日間、休肝日を設けていただきたいです。
「昔は飲めなかったけど、飲んでるうちに強くなってきた」
「コロナ禍で飲まなかったら弱くなった」
そんな声もよく聞きます。
これは耐性のせいなので、ALDH2が増えたり減ったりしたわけではありません。
(睡眠不足が続くとそれに身体が慣れてしまうような感じです)
コロナ禍で飲まない期間が長くなり、再び飲むようになった時には元の力に戻っただけなんだそうです。
弱くなったのではなく、元の強さに戻ったんです。
強くなったと思っていたのは幻ですね。
涼しくなってくると、夏に飲んでいた冷えたビールよりも濃いお酒にシフトしていきますね。
アルコール度数が高くなりますから、飲み方にはご注意くださいね。
二日酔いにならないためにはお酒の種類を混ぜない(ビールの後にチューハイ、それからウィスキー、みたいな)こと、そして倍の水と一緒に飲みながら、たんぱく質を含んだ食事を摂りながらが安心です。
「タバコは1本でも害だけど、お酒は量を守れば百薬の長でしょ?」
たしかに。
でも、なかには1滴でも害になる人もいるので、誰にとっても百薬の長ではありませんよね。
そのことをお忘れなく~(^^)/
上手に、安全にお酒と付き合っていきましょう。
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