鍼灸の妊娠率はどのくらいですか?

不妊治療専門クリニックを選ぶ際、アクセスや費用と併せて重要視されるのが
“妊娠率”ではないでしょうか。
みなさん、この数字って結構気にしていらっしゃいますよね。
クリニックの実力を表わす数字だったら、少しでも高いところに行きたい。
では、鍼灸院もこの“妊娠率”で選ぶべきなのでしょうか?


“体外受精は、細かいことを言うとショート法だったりロング法だったり、
使用する薬の種類だったり用量だったり、培養液の違いや、
何日目の・何分割の胚を移植するか、いくつ戻すのか、などなど、
違いはいろいろあるものの、大方の流れは共通していると思います。
ドクターや胚培養士の微妙な匙加減が結果を左右するファクターかもしれません。
ですが、各患者さんのデータは詳細な検査を経て細かく数値化され、
比較検討しやすいというのが大きな強みです。
「データ、統計から見ると、あなたの場合は・・・」
ということで治療法が決まったり、確率が算出されたり、
数値として目に見えるのはわかりやすく、安心ですよね。
いっぽう、鍼灸の場合、施術法のバラエティはもっと幅広いと考えてください。
なぜかというと、それは施術を受けるご本人のお身体次第だからです。
二人として同じ身体の人間は存在しませんので、
その人にとって一番合ったオーダーメイドの施術を提供するのが鍼灸です。
そして、その方の心身だけでなく、鍼灸院に来られる方には
さまざまな外部条件がありますね。
自力で自然妊娠を目指す方も、クリニックで体外受精を受けながらの方も
妊活1年生も、10年選手も、
週に1回来院される方も、2週間に1回ペースの方も、
生活改善に積極的な方も、そうでもない方も、
パートナーの方が協力的な方も、そうでもない方も、
いろいろ挙げていくとキリがありません。
それらを全部総合して、どのような方針を立てて施術していくかは
各鍼灸師によって変わります。
アプローチの仕方がそれぞれ違い、決まった方法はありません。
そして決定的な違いは、東洋医学的な診断法の結果は数値では表せないのです。
ですから、データを積み重ねて統計を取るのが不可能です。
もちろん、無理やり「月間〇人」とか「何か月通院で〇人」とか
陽性判定の人数を数えるのは可能かもしれませんが、
実態を表わす数字とは言えないということと、
この後力説する理由から、私は”妊娠率”を算出しないことにしています。
それじゃ、どうやって判断したらいいの? ということですよね。
繰り返しになりますが、私がゲストの方と目指したいのは
“妊娠しやすい身体づくり”
そして目標は
“元気に楽しく育児ができる身体づくり”
これがうまくいくと自然と、すんなり妊娠できるのです。
ご存知かと思いますが、東洋医学では、ホルモンが足りないからといっても
外からホルモンを注入する、ということは絶対ありません。
必要なホルモンを自力で分泌できるように改善していくのが東洋医学です。
また、身体は生殖器だけでなく、すべてつながっていますので
全身のコンディションを整えていくことが大事なのです。
ですので、生殖器だけに注目しているとお身体の変化を見落としがちです。
大きく全体のバランスを見ていきましょう。
たいていのケースで、妊娠する前に便秘が改善したり、
腰や膝の痛みがなくなったり、肩こりがましになったりします。
そういう徴候が出てきたら、良い方向に向かっていると考えてくださいね。
なかには自覚症状的に何も変化が感じられない方もいらっしゃいます。
もともと目立った症状が何も無い方もいらっしゃるので。
それでも、プロの目で見ると明らかに変化があるものなのですが、
ゆっくりした変化だと感じにくいこともあるようです。
そんなときは、最初の頃を振り返っていただけるような工夫をします。
すると「ああ、そういえば」と思い出されることが多いですね。
なにせ変化や効果の現れ方もゆっくりなので、
じっくり時間をかけて体質改善して結果を出したい方に向いていると思います。
来週、来月に結果が出てなければ! という方には向かないかもしれません。
“妊娠率”もわからないし、時間もかかる。
なかなか気が長い話ですが、東洋医学では焦りは禁物。
だって、目標は“元気に楽しく育児ができる身体づくり”なんです。
妊娠したところで力尽きるような身体を目指してはいません。
妊娠してから、出産してから後、5年、10年先に視線を向けてみませんか?
その頃のあなたは、元気なファミリーライフを送っていらっしゃるでしょうか?
育児をエンジョイできるだけの力を今からつけていけるといいですね!!
一緒に目指していきましょう(^^)/

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