妊娠力は何歳まで?!

御年83歳でパパになったアル・パチーノ。
そして79歳でパパになったロバート・デニーロ。

有名なハリウッド俳優さんの快挙(!?)です。

どちらもNY出身のイタリア系という共通性があるのですが、それって何かあるのでしょうか。

進化する生殖補助医療をもってしたら不可能はないのか?
凍結精子を用いた体外受精?
マイクロ-TESE?
とっさにそんな予想までしてしまいましたが…

予想に反し、アル・パチーノ本人が自分の子どもかどうかを疑い、DNA検査を望んだということです。
ということは、妊娠を目的とした不妊治療ではないんですよね。

検査の結果、間違いなく自分の子だと判明し、本人も驚いたそうです。

母親の女性はかなり若いとはいえ、驚愕ですよね。

日本でも時々高齢の役者さんがパパになったと話題になることがありますが、ここまでの高齢は聞いたことがありません。

 

近年は女性の高齢不妊が非常に問題になってきています。
もちろん、妊活カップルの男性も高齢化していますので、男女ともに不妊の原因となります。

でも、アル・パチーノやロバート・デニーロは?!

いったい、男性の妊娠力(妊孕力)はいつまで持続できるのものなのでしょうか?

女性との違いはなんでしょうか?

 

女性が高齢化とともに妊娠しづらくなるのは理由がはっきりしています。
将来赤ちゃんになるべき卵子は胎児の卵巣の中に生まれる前から備わっています。
一番数が多いのは約6ヵ月くらいの胎児のときで、約600万~700万個あるのです。
残念ながら、そのあとは減る一方で、誕生する時点で約200万個です。

ずっと休眠中の卵はさらに減少し、思春期になって初潮を迎える頃にはなんと約30万個に。
その後もひと月に約千個ほどの卵子が減り続け…閉経する頃には残り千個くらいになります。
平均的な閉経の時期は50歳前後ですよね。

卵子は胎児の時から女性自身と一緒に生きてきた=年をとってきたわけですから、若いほど卵も若いので妊孕力が高いのも当然なんです。

加齢のせいで卵子の質が低下し、染色体異常が生じやすくなると言われていて、それが受精、妊娠の妨げや流産の原因となってしまいます。

もちろん、持って生まれる卵の数は個人差がありますし、減少するペースも人それぞれです。
卵の質が全部同じ速度で低下していくわけではなく、なかにはよい卵も残っていきますが、確率的に妊娠のチャンスが減っていくのは明らかです。

女性の妊娠力の低下は卵子の老化が原因ということは明白ですね。

 

いっぽう・・・

男性です。

男性の精子は精巣で一生新しく作られていきます。

精巣の機能にもよるのですが、基本的に毎日新しい精子が作られるんです。
(実際には72日間かかるのですが、毎日古くなった精子は消えていき、新しい精子が補充されていきます)

もちろん高齢化で精巣機能が落ちたり、精子のDNAが損傷したりするものです。
また、年齢が高くなればEDも増加します。
ですので自然妊娠が難しくなるものですね。

日本ではセックスレスのカップルも増えていますし、男性不妊も増加の一途です。
不妊治療目的でバイアグラなどの処方や、乏精子症、無精子症でマイクロ-TESEの適用になるケースも。

 

アル・パチーノは若い頃にはドラッグを使用したりアルコールも飲んだりしていたようですが、早い時期にそうした習慣を断ったそうです。
そして役者という好きな仕事にマイペースで取り組むこと(スターですから)なども、心身によい影響を与えたのかもしれませんね。

非常に特異な例ですが、健康な心身だと精巣機能も健全で、健康な精子が生まれるということでしょうか。

 

日本男性の妊孕力の低下は、外見的には問題なさそうに見えても中身は不健康なのが原因かもしれません。
草食化が目立つようになっていますし、過労や不健康な生活習慣、ストレス過多なども考えられますよね。

高齢化以外に、長時間労働や運動不足、喫煙や飲酒、食生活の乱れなど、不妊の原因が指摘されています。

さまざまな背景から晩婚化や妊活高齢化は仕方がないこともあるでしょう。

とはいえ、もし将来子どもがほしい、家族を持ちたいと思うなら、高齢化すれば男女ともに妊娠力が低下することを早くから理解して、健康な身体を維持するよう意識した生活を送っていただきたいです。

今からですよ!

誰もが急にアル・パチーノになれるわけではないのですから!

 

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