養子縁組って難しい?

不妊治療を卒業し、夫婦2人の生活を送る決意をされるカップルもあります。
でも、養子を迎えて新しい家族を築いていくことも可能ということは
ご存知でしょうか。
自分で産まなくても親として子どもを育てることはできるのです。
安易に考えることはできませんが、制度自体があまり知られていませんので
子どもの福祉の観点からも、もっと普及定着してほしい制度です。


「養子」というと、海外の有名人が何人も養子を迎えて大家族を築いているような
そんなイメージがあるかもしれません。
日本と比べると欧米諸国では割と一般的に行われているように見えます。
人種の違う家族、いろんな形の家族が当たり前のように存在しますよね。
文化の違いを感じます。
日本ではまだまだ養子を特別視するところがあるようですし、
依然として日本の「家」に対する考え方は独特なものがあり、、
その延長線上で血のつながりを重視する傾向があるのでしょうか。
でも、そのために余計に辛い思いをする方も多いのは事実ですよね。
もし生物学的なつながりに縛られず、血縁関係の存在しない子を
実子同然に育てることができれば・・・。
実の子じゃないのに、そんなの無理・・・?!
子育ては誰にとっても簡単なことではありません。
完璧な親なんて存在しないのですから。
実際に養子として縁組される子どもたちの両親は、
自分では育てられない事情があるからこそ、です。
年齢が若すぎたり、虐待してしまったり、経済状態だったり、
さまざまな理由があって我が子を手放さるを得ないのです。
テレビドラマにもなった『コウノドリ』でも取り上げられましたね。
乳児院などの施設には、家族の愛を必要とする子どもたちがたくさんいます。
一人でも多くの子どもが親の愛情を受けて、家庭で成長することができれば…
子どもを望むご夫婦と、なんとかマッチングできたらと思います。
徐々にでも制度が普及すれば、養子を受け入れる土壌が
少しずつ育っていくのではないでしょうか。
日本では晩婚化に伴い、不妊治療が盛んに行われるようになりましたが、
高齢がゆえに、簡単にはいかないことも多いです。
現代医療のあらゆる手を尽くしても、自分たちの血を引く子どもを
授かることができなかったご夫婦にとって、
早い段階からこの特殊養子縁組を知っていたら、
何かが違ったかもしれません。
もう少し年齢が若いうちに子どもを迎え、
(特殊養子縁組では実子同然の親子関係が結べます)
もっと早く子育てに専念できていたかもしれません。
特殊養子縁組には必要な条件がありますし、審査もあります。
一つひとつクリヤしていくことで、家族を築いていけると信じます。
養親になるための要件はこの通りです。
*婚姻している夫婦であること
*夫婦の一人が25歳以上であること
 (年齢の上限は各自治体などによって違います)
*健康で安定した収入があること
申請から縁組確定までの流れは、
児童相談所あるいは、民間のあっせん事業者によって多少の違いはあります。
共通しているのは、必要条件を満たしているかどうかの審査があることや、
試験的に交流・養育する期間が設けられることなどです。
最終的には家庭裁判所の調査によって特殊養子縁組の審判が確定します。
かなりハードルは高いと感じるかもしれませんが、
子どもの福祉のための制度であることを理解する必要があります。
「難しい」にはワケがあるのです。
あくまでも、中絶や児童虐待や虐待死から子どもを守るのが目的です。
最初から相当の覚悟や忍耐が必要かもしれませんが、
肝心の、子どもへの愛情を育むのはさらに忍耐力がいるかもしれません。
頭で思い描いていた理想から大きく外れることや、
予想もしなかったことがあるかもしれません。
でも、それは実子を育てていても同じなのですよね。
ご夫婦でしっかり話し合い、前向きに検討していただければいいですね。
もっと制度が広まり、認知度が上がっていき、
養子、養親が身近になっていき、多様性に寛容な社会になれば
誰もが「血のつながり」に縛られて苦しむことも無くなり、
楽になれるのではないかと思います。
ベビ待ちさんのあいだでも、一つの選択肢として
認識されるようになるといいですね。
不妊治療の卒業を考えておられる方、
養子を迎えることに不安を感じておられる方、
いつでもご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA