タバコはなぜダメなのでしょうか?

ベビ待ちなら禁煙は、いまや常識です。
それでもご夫婦ともに禁煙が完璧にできているかというと・・・。
タバコは中毒となりますので、意志の力だけでは決別できないものですね。
喫煙が胎児に影響を及ぼすことは明らかですし、
その前に、あなた(とパートナー)の不妊がタバコのせいだったとしたら?!


タバコの煙に含まれるさまざまな、大量の化学物質は、
発がん性や催奇性など、調べれば調べるほど恐ろしい影響を人間に与えます。
確かに喫煙者が年々減ってきているのは事実ですが、
それでも全国で約1500万人が喫煙しているそうです。
喫煙率の減少が一番多いのは60代男性とのことですし、
むしろ生殖年齢にあたる40代は喫煙率が一番高いそうですなんです。
ちなみに、女性の場合、減少率はほぼ横ばいだそうですよ。
妊婦による喫煙は死産や早産、低体重のほか、新生児に先天的な
口蓋裂、肺病、神経行動学的な問題などの原因となる恐れが指摘されています。
「メチル化」というDNAの表面の化学的変化は遺伝子に大小さまざまな
傷を残します。
喫煙者本人ではとくに肺機能や高血圧、循環器系疾患、慢性閉塞肺疾患(COPD)、
肺がんなどに関与する遺伝子にメチル化が起きる
そうですが、
その点は素人でも「いかにも」と納得できてしまうところではないでしょうか。
一番問題なのは次の世代にその「メチル化」が影響するのでは?
という点ですよね。
アメリカでの研究によると、やはり子どもの肺や神経系の発達や出生異常などに
関連する遺伝子で変化が認められたとのことです。
そして子どもが成長しても、そのDNAの変化は明確に残っているそうです。
消えずに、また次の世代に持ち越されていく可能性があります。
こうしたことにタバコとの因果関係があるとわかってきているのです。
また、受動喫煙の影響についても無視はできません。
先日も「ベランダで吸ってくれている」と言われる方がいらっしゃいましたが、
タバコの煙の粒子はPM2.5です。
多くはベランダから外気へと吐き出しているから大丈夫と思われても、
衣服や髪などに粒子は付着しています。
窓の隙間からも入ってきます。
タバコの臭いって、なかなか消えませんよね。
目には見えないけれど、煙がいつまでも残っているからです。
だいたい、マンションのベランダで吸ったとしても、上階や下階、
左右の部屋に妊婦さんや乳幼児はいないでしょうか?
家族以外でも、誰かの迷惑になっている可能性はいかがでしょうか?
副流煙は喫煙者本人が吸い込む煙よりも毒性が強いということです。
ニコチンは2.8倍、ニトロソアミンは52倍だそうですよ。
不妊の原因となり、流産しやすくなること。
乳幼児突然死症候群の確立が上がること。
胎児の免疫機能の低下、白血病の発症率の上昇。
こういったリスクがあることを知りながらも禁煙の努力をしないのは、
将来の我が子を虐待していることと変わりはないのです。
もちろん、長年の喫煙による中毒は自分の力だけでは克服できません。
禁煙外来を利用し、ドクターから治療、指導を受けてくださいね。
精子の検査結果ではとくに問題が指摘されなかったとしても、
DNAまで全部調べ上げたわけではありません。
DNAの傷は一般的な検査では見えないのです。
生殖における男性の役割は、DNAを渡すこと。これに尽きます。
でもその大事なDNAが傷だらけだったとしたら?
当院でも、パートナーの方が禁煙して3か月経ったとき、
自然妊娠されたカップルがいらっしゃいました。
禁煙は1日でも早いほうがいいのです。
1日抜いたからといって、次の日に妊娠できるわけではありませんが、
1日1日と禁煙期間を伸ばしていくしかありません。
大半のDNAの変化は禁煙後5年以内に非喫煙者と同レベルまで戻るそうです。
それでも一部は30年経っても残るそうですから、実に恐ろしいですよね。
あなたの将来のためにも、
そしてあなたの将来のお子さん、お孫さんのためにも、
1日も早く禁煙できるよう願っています。

「わかっちゃいるけど・・・」の壁をぶち破りましょう(^^)/

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