不妊鍼灸の目的とは?

近頃浸透してきた感のある「不妊鍼灸」ですが、効果があるなら受けてみたい、
と興味を持っていただいている方も少なくないと思います。
でもまだ体験したことがない方も、もちろん初めて聞く方もいらっしゃるでしょう。
いったいどんなものなのか、どうして不妊領域に効果が期待できるのか、
知っていただけたらと思います。


「子宝」「不妊」といったジャンルの鍼灸の知名度が上がってきました。
どこも不妊治療に特化した鍼灸施術を提供するということですね。
採卵前や、移植の直前に受けると効果がある、というクチコミも手伝い、
ウワサが拡がって、ネット検索もかなりの数に上ります。
その前に受けるといい卵が多く採れるとか、着床しやすくなる、とか
そんなクチコミもたくさん見かけるようになりました。
とはいえ、全国の鍼灸院で一律・標準の施術をしているわけではありません。
細かく見ていくと、中身(施術内容)はかなり違うので、
内容よりも、目的で考えていただいたほうがいいと思うのです。
鍼灸は、基本的に、体質改善を目指す療法です。
自然治癒力を高め、自力で病気を治せるように
助けていくのです。
不妊領域では“妊娠しやすい身体づくり”を主たる目的とし、
つまり自分の力で妊娠できるように助けていきます。
主に、血流をよくすることやリラックス効果が高いことが
不妊治療に向いていると考えられます。
西洋医学による不妊治療は、ホルモンが足りなければ
注射や飲み薬などで補充したり、悪いものがあれば手術して取ったり、
精子と卵子が出会ってなければ人工的に出会わせて受精させたり、etc.
といった攻めの治療がメインです。
このようなことは、東洋医学では到底できないことなのです。
その代わりに、自力でホルモン分泌ができるようにしたり、
悪いものは自力で排出できるようにしたり、
精子と卵子が自ら出会えるように助けたり
、といったことをするのです。
本来できるはずだったことが、なぜできなくなっているのか(原因)を探り、
そこを改善し、全体のバランスを整えていくことによって
妊娠できる身体をつくっていく
のです。
ですので、ほんの少しバランスが崩れているだけであれば
単発の施術で妊娠できることもあります。
「着床はり」といった形で効果が出るのはそのためです。
1回だけの施術で妊娠されるという奇跡もたまにあります。
当院では、胚移植前の1回限りの施術は基本的にお断りしているのですが、
定期的に受診されている方には、ご希望があれば直前にも
施術をすることはあります。
心身のバランスをだいぶ崩されている方には、
継続した体質改善の努力があってこそ、より効果が出るのです。
鍼灸による不妊治療の大きな目的は、妊娠することだけではありません。
妊娠して、マタニティ期間を無事に過ごし、安産で元気なお子さんを授かり、
そして育児を楽しめるくらいの身体をつくること、
です。
まずは妊娠することが重要なのですが、それはスタート。
そこからがまた大事なんですよ。
妊娠するだけで精一杯でエネルギー切れ、となってしまうとたいへんです。
妊娠も出産も、それに続く育児も、心身に余裕が無ければ厳しいです。
子どもを授かって幸せになるつもりだったのに、
子育てで疲れ切って喜びも幸せも感じる余裕が無い、
なんてことになってしまうのは悲しいです。
ゆとりのある心と身体をつくるために何が必要なのか、
ぜひ考えてみてください。
もちろん、妊娠しなければ何も始まらないので、
必要な検査や治療は早めに受けていただいたほうがいいですよ。
もし20代半ばであれば、焦ることなく自然に任せてもいいと思います。
でも、30代に入り、後半にさしかかってきたら、焦る必要はありませんが、
急ぎましょう。急いで原因を探り、対策を取りましょう。
40代であれば、躊躇することなくARTを前向きに検討してください。
そして、20代でも40代でも、治療と併せて体質改善していくことが大事です。
実年齢に見合った、できればそれより若い身体を目指すためです。
そのために有効なのが鍼灸ですよ。
もう一度書きますね。
「不妊鍼灸」の目的は、妊娠し、妊娠を維持し、出産を経て
子育てをするために必要な、ゆとりのある身体をつくる、

ということです。
特定の症状を無くす、取る、だけではありません。
また身体だけではなく、心のゆとり、自信や落ち着きも取り戻します。
ちょっとのことでは動じない、安定した心を養い、
長い長い子育てに備えていきます。
それだけのことをやるには、1回きりの施術では到底無理です。
継続した受診をおすすめするのはそのためです。
やることはたくさんあるのです!
もう一度目的を確かめていただいて、納得してお越しください。
一緒に身体づくり、始めましょう(^^)/

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