メンタルの病と不育症から妊娠・出産!

今日はメンタルの病を持たれるIさんのお話をしていきましょう。
◆Iさんは30代半ばの女性で、以前より不眠や摂食障害、
パニック症候群などメンタルクリニックの治療を
続けていらっしゃる方でした。


病気の原因には、幼少の頃からの成長過程、とくに
親子関係が根っこにあったようでした。
非常に明るく、お話上手なのでとてもそのようには
見えないのですが、浮き沈みがかなり激しいのです。
それでもご結婚されてからは、強くお子さんを望まれるように
なりました。
残念ながら、パートナーの方との関係は良好とはいえず、
だからこそ赤ちゃんがそのすき間を埋めてくれるのでは、
という大きな期待がありました。
子はかすがい、ですね。
◆妊娠を目指してメンタルのお薬を減薬していきましたが
不安定になることも多く、非常に難しい状態でした。
日々アップダウンが激しく、来院途中の電車内で発作を
起こしてしまうこともありました。
夫婦間のトラブルで落ち込みがひどく、来院されてから
1時間以上をカウンセリングに費やしたこともあります。
最後に残った時間で最小限の鍼治療です。
ずっと涙が止まらない状態から、落ち着きを取り戻し、
笑顔でお帰りいただくのが目標でした。
それでも、「もう離婚しかない」と思いつめることが
何度もあったのです。
そんな状態で赤ちゃんを授かることは可能なのでしょうか。
◆確かに、私自身も不安はありました。
でも、彼女の我が子を抱きたいという思いの強さには
圧倒されるものがありました。
その強い希望をなんとか実現させてあげたいと思いました。
治療にあたる私自身が「無理」と思い込んでしまうと
可能性がなくなってしまうのですから。
Iさんの問題はストレスが原因です。
検査の結果、彼女の子宮や卵巣には特に問題はなく、
ただ着床障害があることがわかりました。
東洋医学では心と身体は一体と考えます。
ですので、その両方にアプローチすることで
良い結果が出ることを期待して、
治療にあたりました。
◆治療を続けるうちに、大小さまざまな波をくぐりながら、
少しずつIさんの心は穏やかになっていきました。
一番大きなトラブル源の夫のことも
「子ども」と思って接することができるように
なったそうです。
諦め、と言えないこともないですが、
そう思えるようになったのは成長の1つです。
クリニックも転院し、不育症専門院にも
通っていただくようになりました。
不育症の治療では遠方の病院に通い、
強烈な注射にも耐え、体外受精に挑戦を続けました。
週に1度の鍼灸治療も欠かさずに続けてもらいました。
◆そして、とうとう妊娠できたのです。
ご報告をいただいたときは、ほんとうに感動しました。
長い長い、山あり谷ありの道でした。
その後臨月近くまでずっと治療を続け、
辛いツワリも「憧れのツワリだから」と耐えきり、
帝王切開でパパそっくりの女の子を出産されました。
産後しばらくしてから赤ちゃんを連れて
会いに来てくださいましたが、
可愛くて可愛くて仕方がない、泣いてもカワイイ、
とおっしゃっていました。
どんなにしんどくても、母になった喜びのほうが勝る、
というIさんは、とても穏やかな表情でした。
パートナーの方も一生懸命お手伝いされている
とのことでした。
◆諦めずにがんばってきて、最後に成功できた貴重な
ケースで、ほんとうに感無量でした。
何度もくじけそうになりましたが、続けてよかったです。
ただ、最終的にIさんには幸運の女神が微笑んで
くれましたが、なかにはうまくいかないケースも
あるのが事実です。
いつまで続けるのか、
いつ諦めをつけるのか、
考えないわけにはいきません。
不妊治療は、100%良い結果が出て卒業できるという
保証はないのです。
エンドレスで続けていくより、ご自身とパートナーの
お二人の幸せを考えていくことも大切です。
また、子どもを育てたいという思いは養子縁組という
方法でも願いがかなうことを覚えておいてください。
選択肢の1つとして持っていれば
行き詰まって心身を病んでしまうことも
回避できるのではないでしょうか。
あなた自身の健康と幸せを守るために。
不妊治療専門の鍼灸師として、
それが一番大切ではないかと感じています。
不妊治療のせいで不幸にならないでください。
なお、患者さまのプライバシーを守るため、
登場人物の身辺情報などは若干変更しております。
ご了承ください。

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