高齢でも体外受精を受けるべき?

生殖医療領域は、近年目覚ましい進化発展を遂げてきました。

日本でも1992年以降、体外受精、そして顕微授精の実施件数が飛躍的に伸びています。

妊娠を諦めるしかなかったカップルも最先端の生殖医療のおかげで我が子を抱くことができるようになったのは極めて画期的でした。

それでも今、全体的な妊娠率、生産率が低いのはなぜなのでしょうか?

最新データ(2015年)を見てみましょう。

ARTを受ける患者の年齢別治療周期数と移植周期数です。

30歳の年齢別治療周期数と移植周期数は、順に9,330、6,040。

妊娠周期数は2,544、生産周期数は2,007です。

10歳上の40歳だと38,445、21,847。一気に3、4倍に増えています。

妊娠周期数が5,702、生産周産期が3,505。

30歳の総移植当たりの妊娠率は42.1%、総治療周期当たりの妊娠率は27.3%、総治療周期当たりの生産率は21.5%です。

40歳の総移植当たりの妊娠率は26.1%、総治療周期当たりの妊娠率は14.8%、総治療周期当たりの生産率は9.1%。

最近では珍しくなくなった45歳ではどうでしょうか。

総移植当たりの妊娠率は6.5%、総治療周期当たりの妊娠率は2.8%、総治療周期当たりの生産率は0.9%。

10年違いでここまで差が出てくるのです。

最近は婚姻年齢が30歳を超えてくるほど晩婚化の一途です。

結婚してすぐに治療(ART)に入るなら可能性はまだ高いと言えます。

でも、実際にはアラフォーで初婚、そこから妊活スタート、という方が少なくありませんし、結婚は早くても仕事でとても妊活なんてできなかった、

という方が大勢いらっしゃるのです。

この10年のブランクが非常に勿体ないわけですが、

それぞれの事情は致し方ないことばかりです。

最近は女性に男性と平等に勉強して働け、そして子どもを産め、できるだけ多く産め、母だから愛情かけて子育てせよ、そのうえ輝け、と無理難題を押し付けられるようになりました。

スーパーウーマンとして一人で何役をこなさないといけないのか・・・。

男性の働き方も変革しなければ女性の負担は増える一方です。

結婚も妊娠出産も高齢化しているのは女性だけではなく、もちろん男性だって初婚年齢が上がり、女性よりも妊娠に関しては楽観的に構えすぎていたり医療にかかるのに及び腰だったりして、男性要因の不妊も半数くらいあるわけですね。

ARTの進化は画期的ですが、完璧ではありません。

とくに年齢が上がると、妊娠率よりも流産率が高くなるのですから、条件が厳しくなります。

ARTだけに頼っていても、必ずしも夢がかなうとは限らないのです。

では、どうしたらいいのでしょう?

10年前に時計を戻すわけではいきませんから。

高齢化で卵巣機能が低下している場合、ARTで卵巣刺激をしても卵胞が育たず、
育っても質のよい卵ができなくなります。

また子宮もなかなか着床できなかったり、妊娠維持ができなかったり。

個々の妊娠力が落ちてしまっているためにARTの力が及ばないのですね。

そうなると、今何が求められているかというと、やはり個々の妊娠力を少しでも引き上げることになります。

かなり厳しい条件ですが、血流改善が注目されています。

ARTにおいて作用部位へのホルモン剤の到達率を上げ、細胞への酸素・栄養の運搬や骨盤内の血流を改善するのがねらいです。

また卵巣刺激が最早厳しければ、自然周期や低刺激周期で卵胞を自力で育てるためにも血流改善が鍵となってきます。

鍼灸や漢方は血流改善に役立つのをご存知の方はすでに始めておられますね。

ホルモン剤のような即効力とは違いますが、全身の血流をよくして、卵巣機能、子宮内膜の状態を改善していきます。

卵子の老化に対抗するには血流改善が最後の砦なのです。

ARTでうまくいかずに、もう無理かと落ち込んでおられる方、諦める前に挑戦してみてくださいね!

いつでもご相談ください(^^)/

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