男性不妊かも? と思ったら

ご夫婦の不妊は、現在では男性・女性の半々に要因があると言われます。
どちらかいっぽうだけが原因ということは稀で、その割合だけがいろいろなのです。
かつてのように「俺は関係ない」は通らなくなっているのが実際です。
今や不妊治療はご夫婦お二人でするものですから、「もしかしてウチも?」
と思われたら、すぐに行動を起こしてくださいね。


それで「男性の検査はどこで?」とよく尋ねられます。
不妊専門クリニックで受けることができます。
ホームページなどで確認していただくと確実ですね。
ただ、まだまだ女性の患者さん率が高かったり、
“レディースクリニック”や”産婦人科”を掲げている病院は
男性にとっては敷居が高いようです。
それで行きそびれてしまったら残念過ぎます!
そんなときは、ぜひ泌尿器科を受診してください。
事前にネット検索すれば「男性不妊」も診療しているかどうか確認できます。
電話やネットで予約を取って行ってみてくださいね。
下見されてもいいかもしれません。
泌尿器科はほとんどの患者さんが男性ですし、
(不妊専門クリニックに比べると)かなりすいてますので、
待合での居心地も悪くないと思いますよ。
ハードルはずっと低くなりますから、迷わず行ってきましょう。
男性の不妊スクリーニング検査で痛い検査はありません。
心理的な”怖さ”や”気まずさ”を乗り越えるだけです。
女性のほうが、はるかに検査の負担は大きいのですし、
必要なのは勇気と時間だけですね。
女性側の検査が先行して、治療経過時間を引き延ばしてしまうことがないように
ご夫婦同時期に検査受診されることをおすすめします。
さて、「男性不妊」の検査の基本は精液検査です。
採取する精液は多ければ多いほどよい、ということではありませんので、
何日も禁欲する必要はありません。
1~2日がよいそうです。
なぜなら、何日も禁欲して射出した精液には古い精子が多いわけですから、
運動率など、成績が悪くなるのは当然です。
それはぜひ守ってくださいね。
※でもこれは検査時だけではない注意事項だと思いませんか?
 活性酸素の影響がありますし、結果的に禁欲になってしまっている方も、
 どうぞご注意くださいね(^^)/
精液検査の結果を基準値と見比べてみるときにご注意いただきたいことです。
ちなみにWHOの基準というのは平均値ではありません。
妊娠に至った人の成績のかなり下のほう(=5パーセンタイル)です。
セーフ! と喜ぶのは、ちょっと気が早いかもしれませんよ。
平均値はもっと上のほうにあるようですから。
しかも以前よりこの基準値は下がってきているそうです。
そして、各項目を細かく見ていくとき、治療の段階としてどの位置にいるか?
によって重要度が変わります。
人工授精なら、精子濃度>高速直進運動精子>奇形精子
体外受精なら、高速直進運動精子>精子濃度>奇形精子
顕微授精なら、良好形態精子>高速直進運動精子>精子濃度
左のほうが重要度が高いそうです。
検査項目のどこに注目したらいいのかは、人によって違いますね。
WHOの基準値が低下しているのは、さまざまな原因があるそうです。
(A)食生活の変化、地球規模での環境変化、生活上のストレスの増加
といった複合的な要因のほか、
(B)泌尿生殖器系の疾患、とりわけ精巣がん、停留精巣、尿道下裂
などの生殖機能障害なども増えているそうなんです。
(A)に関しては思い当たる方も多いと思いますが、
(B)は検査して初めて判明することも少なくないのですし、
やはりまずは検査を受けてみることが大事ですね。
妊娠の過程において、精子の役割で一番大きいのは遺伝子を運ぶことです。
だからその役割を果たすための極限のカタチをしています。
でも卵子に到達するだけで役目終了というわけではなく、
受精して初期の分割のときに精子の力が関わってくるそうです。
4分割くらいまでは精子の影響力が強いそうなのですよ。
やっぱりそれだけの力を蓄えた元気な精子であってほしいですよね!
では、なぜ元気がなくなってしまうのでしょうか?
精液所見が明らかに悪くなる原因を見てみましょう。
一番大きいのは喫煙です。
男性の場合は造精機能障害(精子数や運動率の減少)、EDの増加
報告されています。
また、女性はエストロゲンの分泌抑制、卵子の遺伝子異常、早発閉経などが
挙げられますが、不妊症の危険率は1.60倍
ARTの成績も喫煙者のほうが不良とのことです。
妊娠してからも自然流産率が高まり、異所性妊娠、頸管無力症、切迫早産、
37週未満に前期破水、早産および妊娠33週未満の早産、絨毛膜羊膜炎、
常位胎盤早期剥離、前置胎盤
、など、
そして児への影響として口唇裂および口蓋裂、先天性心疾患、手足の欠損、
腹膜破裂、低体重
、などがあります。
女性は非喫煙者でも、パートナーが喫煙者であれば危険率は同じように
高まります

今では受動喫煙も能動喫煙も同じとされているのです。
まずは精子への影響、そしてパートナーや未来の我が子への影響を
考えてみてください。
他にはアルコールの摂取、肥満などの影響が続きます。
あなたは、あなたのパートナーは、大丈夫ですか?!
人間の身体は3か月周期でどんどん入れ替わっていきます。
1日でも早く行動を起こしましょう。
今日始めれば、3か月後にやっと変化の兆しが現れます。
そんな先? と嘆いても、今日始めなければ第一歩は
永久にやってこないのですから、覚悟を決めたほうがいいですね。
鍼灸サロン for You でも、最初は女性だけ受診していたけれど、
途中からパートナーの方も一緒に通われるカップルが増えています。
最初からお二人で受診されるケースもありますよ。
そのほうが妊活には絶対有利なのですから!
あなたとパートナーの応援団として、独りぼっちにはさせませんよ!
いつでもご相談くださいね。
最後に、トマトジュースの効果について。
男性不妊患者を被験者とした試験の結果です。
トマトジュースを1日1缶、朝に摂取したところ、
精漿中リコピン濃度の有意な上昇し、
6週目の運動率の有意な上昇、
精液中白血球数の有意な低下が確認されました。
トマトジュースは精子無力症に対して改善する可能性が示唆されたとのことです。
コレステロール値の低下や血圧(収縮期)の低下、
前立腺がんの予防などにも効果が認められているトマトジュース
毎日こつこつ、続けてみてもいいかもしれません!
もちろん、それだけ飲んでおけば大丈夫、ということではありませんよ(^^)/

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