東洋医学の基礎

今日は東洋医学の基礎をもう少し詳しく説明していきますね。
東洋医学は東洋思想・哲学の影響を受けて生まれています。
西洋医学は思想とか哲学とは相容れない存在のようです。
事実が優先され、エビデンス(証拠)が何よりも重要視されます。
東洋医学では目に見えないもの(=気)を扱いますので、
「エビデンスは?」と言われたら写真も何も提出できないのです。
それで一般的に信用できない、と思われがちなのですね(T_T)


でもこの世には目に見えない真実がある、というのが
東洋思想の大前提なんです。
私たち東洋人は、言ってみれば100年ほど前までは
そんな東洋思想の世界にどっぷり浸かって生きていました。
きっとその記憶の名残が私たち現代東洋人の身体のどこかにも
残っているはずです。
拒否反応をおこさず、ちょっとでも興味を持っていただければ、
ひょっとしたら”思い出す”かもしれませんよ!
記憶がよみがえる?!
◆陰陽とは◆
古代中国で生まれた【陰陽説】。
森羅万象をすべて「陰」と「陽」の2つの性質に分ける
大自然の法則です。
二元論ですね。
単純そうでいて、ものすごく奥が深いんです。
ものごとにはすべて表と裏があり、
お互いに相反するのだけど、お互いの存在が不可欠で、
お互いに影響し合って変化し続けている。
とまぁ、簡単に言ってしまうとこうなんです。
どっちが正しいとかエライとかということではなく、
バランスが一番大事と考えます。
男は「陽」、女は「陰」。
太陽は「陽」、月は「陰」。
昼は「陽」、夜は「陰」。
動は「陽」、静は「陰」。
どっちかだけ、というのはバランスが悪いので
うまくいきません。
妊娠するためには、男性と女性、どちらの力も必要なのです。
身体のつくりも考え方もまったく違って理解不能、
それでもお互い惹かれあって一緒にいることを選ぶ・・・。
まさに「男女」こそ「陰陽」そのものなのです。
◆五行説◆
これも古代中国生まれの自然哲学。
私たち人間も含めて自然界の森羅万象を5つの性質に分けます。
「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素。
5つは法則を持って関係し、互いに影響し合っているんですよ。
陰陽の2種よりちょっと複雑化?
そもそも何故こんな分類をして関係性に注目するのかというと、
バラバラに見える万物や事象を5つの性質にあてはめることで
大きく全体像をつかむためなんだと思います。
木が燃えると火を生じ、火によって灰(土)が生じ、
土のなかで金属が生まれ、金属は溶けて水が生じ、
水は木を育てる。
この相手を生み出す循環のことを『相生』関係といいます。
この関係によって物事は促進、助長されていくのです。
いっぽう、木は土を破り、土は水をせき止め、
水は火を消し、火は金属を溶かし、
金属は木を切り倒す。
このように相手を制約する作用のことを『相剋』関係といいます。
相手が暴走しないように抑制するのです。
この2つの関係性を中心に、自然界はうまくまわって
いるのですね。
この理論、最初に考えついた人ってえらいと思いませんか?!
◆陰陽五行説を医学にあてはめると◆
「陰陽」を身体にあてはめると、「上下」「左右」「表裏」
といった相反する定義で人体を切ることができます。
切るといっても切り離すのではなく、診る、比較することです。
どれも絶妙なバランスが保たれている必要がありますが、
アンバランスになっているのが不健康な徴(しるし)なんですね。
そして、五行説を人の身体にあてはめたのが「五臓」です。
「木=肝臓」「火=心臓」「土=脾臓」「金=肺臓」「水=腎臓」
どの臓も強くなり過ぎず、弱くなり過ぎず、
ちょうどいいバランスで有機的につながっていてこそ、
人間は健やかに暮らすことができるのです。
人間の身体の基本であるこの陰陽五行(五臓)が
どのようなバランスになっているのか? 
を診断するのが東洋医学です。
一人の人間のなかでどこかバランスを崩した姿が”病”なのです。
子どもを授かりにくい状態というのも、バランスが崩れている
という証しです。
陰陽五行説に則り、その人の全体像をつかみ、
どこにアンバランスがあるのかを診断して、
治療していくのが東洋医学による不妊治療です。
とっても単純明快であります(^_^)v
◆そんなに単純でもない東洋医学◆
人間も自然の一部なので、季節や気候の影響を受けますし、
宇宙で起こっていることは、小宇宙である人間の身体のなかでも
起こります。
なので、風邪のウイルスや感染症の菌など外から来るものや、
その年の運気や場所が持つ空気などにも影響されるのです。
そして、中から沸き起こるもの、つまり心・感情の動きからも
影響を受けるのが人間です。
とくに現代社会ならではの環境問題やストレスフルな生活、
食物の栄養価や飽食の問題、などなど
いろんな要素や条件が入り混じり、複雑化した身体は
そう簡単に良い方向に動いてはくれません。
東洋医学にも不得意分野はあります。
レントゲン写真やMRIといった機器を使って診断できませんし、
身体にメスを入れることもできません。
ですので、より早い治療効果を上げるためには、
西洋・東洋の両医学の得意分野を結集していくのがベターです。

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