鍼灸で体質改善って?

今日は鍼灸による体質改善について少しずつお話を進めていきましょう。
まずは体質改善の意味を考えてみましょうか。
「体質改善」とは、「食事・運動・服薬などの方法によって、
 体の性質を変えること」
正確には、身体の性質というのは持って生まれた先天的な性質と、
後天的に身につけた性質と、両方合わせた形です。


生まれながらの性質はあまり変えることはできませんが、
生活環境や習慣などで長年かけて築いてきた性質というのは、
案外変えることが可能なんですね。
そして「改善」ですので、良くすることが目的です。
悪化させちゃいけません!!
良くない性質があれば、それをより良く、正しくしていくのが
「体質改善」です。
その方法の基本は「食事・運動・服薬など」です。
なぜかというと、だいたい「食事・運動・ストレス」で
身体は悪くなってきてしまったので、
そこにメスを入れて、正しくなるように導いていくんですね。
「服薬”など”」には「鍼灸」や「漢方薬」も含まれます。
それを東洋医学的な体質改善と呼びます。
「整体」や「あん摩指圧マッサージ」なども含まれることがあります。
鍼灸は医療ですので、特定の疾患を治すという役割もありつつ、
「なぜ治るのか?」というところを突き詰めていくと、
「体質改善によって自然治癒力を高め、自分の力で疾患を治す」
ように持っていくのですから、「体質改善」は必須なんです。
◆鍼治療とは◆
「鍼灸」とひとくくりにされることが多いのですが(^_^;)
「鍼」と「灸」は別物ですし、国家資格だって別々なんですよ!
それぞれ得意分野が違いますし、両方を駆使して的確な治療を
することが「はりきゅう師」の任務です。
「鍼」が主に扱うのは「気」なんです。
「鍼」は、人の身体に流れる生命エネルギーの「気」を動かすのが
得意なんです。
「気」の通り道は半身に12本、縦に流れています。
その道は、例えるなら電車の「線路」みたいなものです。
「経絡」という名前がありますが、「線路」のほうが
ずっとわかりやすいですね。
「電車」は「気」です。
線路にはたくさんの「駅」があり、各駅停車で電車が停まっては行き、
を繰り返しています。
「駅」は「ツボ」です。
「駅」には大小あって、複数の線路が相互乗り入れしている
主要な駅もいくつかありますよ。
「電車」は機嫌よくリズムよく走ってくれてたらいいんですが、
たまに故障して暴走したり、脱線したり、動かなくなったり・・・
するんです。
トラブルはどこか「線路」の上だったり、「駅」だったり、です。
トラブルがひどくなると、ある路線だけ渋滞となりますので
その「線路」は機能しないばかりか、
他の線路にも負担をかけることにもなってしまいます。
そうして”病気”は生じるんです。
そして、そのままほったらかしにしておくと、
その「線路」を経営している会社の母体も危うくなってきます。
臓器がやられてしまうような重篤な病気はそのような形で
発生するんです。
そこまでいかないうちに、最寄の「駅」で駅員さんたちが
待ち構えていて小さな故障を直したり、整備したりします。
「鍼」の治療はそんなイメージです。
「電車=気」が軌道を守ってスムーズに流れるように働きかけます。
どの路線でどんなトラブルが発生してるかをいち早く把握するのが
鍼灸師の役目です。
「線路=経絡」を特定し、効果の高い「駅=ツボ」を選びます。
多くの「電車」が行き交う主要な「駅」は同時に複数のトラブルに
対応できるので、非常に便利。
みんなまとめて解決できれば、一気に複数の路線の混乱を
正すことができるんです。
「線路」や「駅」のマイナートラブルのうちに対処しておけば、
経営母体の傾きにまで至らないうちに健全化しておけるんですね。
◆お灸の特徴は◆
では、お灸はどうかというと、もぐさ特有の薬効もありますし、
「火」を使って温めるということで、弱ったところを
助ける力がとても強いのです。
身体が弱い方や、冷えている方に非常に効果的です。
はり師きゅう師は、どちらも使いこなせますので、
お身体を診て、より効果的なほうを選んで治療に使っていきますよ。
◆線路が乱れる原因を調べる◆
さて、特定の「線路」や「駅」が乱れるのは理由があるのです。
急に人間の話に戻りますが、
その人のクセや、持って生まれた体質、生活上の問題など、
そして精神面、感情のもつれなど内側から来る原因と、
外側から来る原因(風邪とか事故とか)が
特定の「経絡」や「ツボ」に影響を与えるんです。
ですので、
◎どこの「線路」がやられているのか?
◎原因は何なのか?
この両方を特定したり「程度」を調べたりする必要があります。
そして、どこの「駅」で故障を修理するのが適当かを決めて
実際の修理=治療に入っていくわけです。
◆治療のパターン◆
鍼灸には多くの流派があり、理論面や技術においても
千差万別です。
それでも共通していることはあります。
◎弱ったところを助ける
◎余ったものを抜き取る
この2つを順番や刺激の強弱などをつけて、応用していくのです。
方法は山のようにありますよ。
いかに刺激を抑えて(受ける人の負担を軽くするため)
効果を早く出すか、というところが鍼灸師の腕にかかっています。
◆東洋医学らしさ◆
機械的に治す、症状を取る、というだけでは足りないところが
あります。
というのも、もしその方の生活様式が原因でその症状や
病気が発生したとしたら、
今回は治ったとしても、また前と同じ生活を繰り返せば、
同じ病気にかかるでしょう。
ですので、鍼灸師はその方の体質改善を目指して、
ご自身でできる養生法などを必ずアドバイスするのです。
食事の内容や食べ方、睡眠、運動、わりと多岐に渡っています。
また、精神的なものが原因である場合、
カウンセリングも行わないといけないのです。
心が原因となっているときは、そこをケアしないと
身体だけよくすることはできないからなんですよ。
鍼だけ刺すイメージをお持ちの方も多いと思うのですが、
けっこうやることは多いのです(*^。^*)
そうしたさまさまなことがすべて、
功を奏して、治療効果として表われるのですから。
そのあたりが東洋医学的な治療法の”らしさ”だと
私は考えています。
よく言われるように、病院では1分で診断が終わり、
次々と流れ作業で治療が進むということです。
きっと西洋医学の病院と、鍼灸院では違う時間の流れ方を
しているんだと思います。
とくに私の治療スタイルはお一人にじっくり向き合い、
時間もかなりかけるので余計そうですね。
当院ではお一人80分から、長ければ2時間近く
かけるときもあるんですよ(^^)
もちろん、長ければいいってわけではありませんが。
ついつい話が長くなるんです!

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