身体の痛みと上手につきあうには?
痛みの感覚って、ほんとうに人それぞれですね。
長年、鍼灸師をしていると感じるのですが、“痛がり”さんや“痛いのが極端に苦手”という人は実際にいらっしゃいます。
痛みを隠す、平気なふりをする、という方もありますが…。
実は痛いけど、見栄だとか我慢強さもあるかもしれませんが、なかには全然平気という人もおられます。
初めて鍼を受ける時に過剰に身構える方や、あるいは「痛そうだから無理」 と最初から鍼灸を避ける方も多いのでしょうね。
残念ながら。
それでも痛みの感覚は絶対必要です。
痛覚があってこそ、危険から身を守ったり、身体に起きている異常事態に気づいたりできるのですから。
痛みは身体からの信号、メッセージでもあるのです。
ただし、この痛みの感覚は個人差が非常に大きくて、極度に敏感な方から感じにくい方まで、とても幅がありますね。
閾値といいますが、同じ刺激に対しても人それぞれですし、同じ人でもその時々の条件によって変化するものです。
なかには「歯の治療が大好き、麻酔が気持ちいい」 なんて言われる方もいらっしゃるんです。
ペットのイグアナ(!)に咬まれてかなり出血したけど痛くはない、なんて方もおられましたね。
強者ですよね!
いっぽう痛みに弱い方だと予防接種はもちろん、鍼灸の鍼だって怖い怖いとおっしゃるので鍼灸師としては辛いんです…
実際には、日本の鍼灸の鍼は注射針よりもずっと細く、髪の毛くらいの太さなんですけどね。
鍼先の形状も注射針と違うので、痛みは出にくくなっているんですよ。
とはいえ、怖くて身体が緊張しているので、余計に痛く感じてしまうのです。
過去にひどく痛い思いをした記憶がある方、トラウマがある方は恐怖感から敏感になります。
完全に心理的要因ですね。
とくに記憶がそうさせているわけでなくても、痛みに弱い方は緊張しやすいタイプの方が多いのかもしれません。
心と身体はつながってますので、ストレスやプレッシャー、心労が重なっている時は身体も知らないうちに緊張しているため、痛みをより強く感じてしまうことがあります。
逆にアドレナリンが噴出するほどの緊迫した状況やショック下では痛みをまったく感じないことがあります。
どちらも正確に痛みを感じとれてないですよね。
過剰にも過小にも受け取れてしまう痛み。
できれば振り回されないよう、上手につきあっていきたいものです。
痛みに弱いと自覚される方は、深い呼吸とともにリラックスして身体のこわばりを緩めると、意外と激しい痛みを感じずに済むかもしれませんよ。
医療機関などで心臓がバクバクするような時は、自分自身に「落ち着いて!」 と言い聞かせて、ゆっくり深呼吸するようにしてみてくださいね。
不眠や疲れている時、不安感や恐怖、孤独感などが強い時は痛みを感じやすくなるそうです。
逆に、普段からしっかり睡眠を取って休息することや、人とのふれあい、笑い、安心感などは痛みが感じにくくなるファクターだそうですから、痛がりさんは特に気を付けてみてくださいね。
痛みの強さを数値化するのは難しいもの。
痛みは個人個人の感受性、いわば主観的なものなんですね。
痛みに強ければ偉いわけではありませんし、弱いからといって情けないわけでもないのです。
他人が痛がっているとしたら、否定することなく、受け止めて共感してあげることが大事です。
「そんなに痛いわけないw」 と決めつけるのはよくないんですよね。
とくに子どもの痛みの訴えには要注意です。
「たいしたことない」「そんなの痛くない」 と否定するより、受け入れてあげるほうがよいですね。
もっと激しく反応して見せないと認めてもらえないと学習してしまったり、逆に痛がるのがよくないと刷り込まれてしまったりする可能性がありますよ。
そうやって成長したおとな、少なくないですね?
もちろん、おとなになってからでも同じです。
何かしら痛みを増強するファクターが隠れているのかもしれませんから。
痛みは、自分にしかわからないものなんです。
そのことをベースに、他者の痛みも尊重していければいいですね!
自分自身の痛み、そして他人の痛みとの付き合い方、参考にしてみてくださいね~(^^)/
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