不妊鍼灸が向いている人って?

近年、伝統的な鍼灸に新たな分野の台頭が目立ってきました。
“スポーツ鍼灸”が代表的ですが、“不妊鍼灸”というジャンルも
だいぶメジャーになってきています。
それだけ不妊で悩む方が多いということですし、同時に効果があるからこそ
ベビ待ちさんのあいだで定着してきたのだと思います。
実際、どんな方に受け入れられ、どのような効果があるのでしょうか?


従来の鍼灸は、年配の方、とくに女性に支持されてきました。
肩こりや腰痛、膝痛、冷え、神経痛、あらゆる慢性疾患に悩まされる方々が
定期的に通って施術を受け、「楽になったわ」とお帰りになるパターン。
若年層はそれほど慢性疾患に煩わされることがないため、
たまに大きな病気や怪我などがあれば即病院を受診するので
鍼灸院で治療を受けることは、まずないのですよね。
鍼灸は局所的な痛みや不調だけでなく、全身調整が可能ですので、
疲れが溜まったときや季節の変わり目などに受診する高齢者が多かったのですが、
最近は自然派志向の強い若い女性患者さんがじわじわと増えてきて
そんな方が鍼灸や漢方など東洋医学にハマる新しい流れが出てきました。
自律神経やホルモン系を整えるのも得意分野なので、
たまたま不妊だった方が鍼灸を受けて妊娠され、
それがクチコミなどで広まっていったのが最初だと思います。
インターネットの力はとても大きかったですね。
若い世代が鍼灸に触れる機会は少なくなってきてはいますので、
不妊治療を通して初めての鍼灸を経験される方ばかりです。
最近はかなり浸透してきたとはいえ、やはり最初の受診はみなさんドキドキです。
「いいと聞いたので」「ネットで見て」「検索してみつけました」
通常なら一生縁がなかったかもしれない鍼灸院に、
不妊治療の一環で、勇気を出して足を踏み入れることになるのですね!
こうして多くの方が受診されるようになった“不妊鍼灸”ですが、
いろいろな誤解や思い違いをされていることもあるのです。
まず最初に理解していただきたいのは、
鍼灸は体質改善を目標としており、足りないホルモンの代わりだったり
「着床を促すためだけ」だったりということはない
ことです。
もちろん結果として、そのような効果が出てくることになるのですが、
あくまでも「自分の力」で妊娠(維持)できるようにもっていくことが
鍼灸の不妊治療
です。
陽性反応が出ることだけを目標とせず、妊娠して出産、
そして育児を元気にやっていけるだけの力をつけることが一番の目標なんですね。
赤ちゃんを産んでからのほうが長いのです。
「育児を楽しめるママを目指しましょう!」と私は呼びかけています。
途中で力尽きてしまってはいけませんからね!
ですから、長い目で身体づくり、体質改善に取り組める方、
焦らず、じっくり、妊活を楽しめる方、に向いている治療法
なのです。
鍼灸と合わせて絶対必要になってくるのは生活改善です。
夜更かしや暴飲暴食を避け、早寝早起き、薬膳の考え方を取り入れた食生活、
適度な運動や温活など、そうした地道な努力も功を奏します。
シャワーをやめて毎日入浴するとか、ジャンクフードをやめるとか、
そんな基本中の基本が大事なんですね。
根を詰め過ぎるのも逆効果なので、目的意識を持って、
ある程度コツコツと継続できる方のほうが相乗効果が期待できます。
鍼灸院に通っていればOKではなく、鍼灸師と一緒にがんばるという感じでしょうか。
次々と新しいサプリや治療法に乗り換えていかれるタイプの方は
効果が出てくる前にしびれを切らして中断していかれるので
非常にもったいないのです。
いいと言われることは全部試してみる方がいらっしゃいますよね。
行動力は素晴らしいのですが、取捨選択してご自分に合ったものを
早く見つけていただくことが大切なんです。
ご自分の身体と相談しながら、落ち着いて妊活を続けていただければ。
妊活に焦りは禁物です。
急がば回れ、なんですよ。
生活改善なんて、まどろっこしいと思われるかもしれませんが、
それができてこそ、子育ても楽しめる心身を手に入れることができるのです。
「私、飽きっぽい性格だからダメだわ…」とすぐに諦めないでくださいね。
確固たる目標があれば、けっこう踏ん張れるものなんですよ(^^)
大きな目標に向かって一緒に取り組んでいこうという方、
ぜひご相談くださいね。
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