プレコンって?

プレコンセプションケアって、聞いたことはありますか?

単純に訳すと、Conceptionは「妊娠、受胎」という意味で、Preは「~の前の」ですから、「妊娠前のケア」となります。

「若い世代が妊娠及び出産の希望を含む自分たちの将来設計を考えて、日々の生活や健康に向き合うこと」 と定義されています。

少子化の警鐘が鳴らされて久しい日本。
将来的な人口減は国家レベルの大問題ですよね。

子どもがほしい人が授かれるように不妊治療もかなり活発に行われている(10人に1人は生殖補助医療による誕生と言われています)のですが、高齢不妊のために現実はなかなか厳しいです。

2022年より不妊治療の保険適用も始まりましたが、やはり35歳以上や40代の不妊治療は簡単ではありません。
間口は広がったものの、個々の難しいケースには対応しきれないところがあります。

がんなどの病気が原因となる医療性不妊とは別に、日本には社会性不妊が蔓延しているのです。

社会性不妊とは、晩婚化やキャリア構築、経済的理由、職場の条件などのために妊娠するタイミングを逃してしまうことを指します。

決して女性ばかりに原因があるわけではありません。

 

そこで、もっと若い世代からアプローチする必要性が指摘され、プレコンセプションケアが認識されるようになったのです。

少子化は社会全体の問題ですので、若者だけをターゲットにするのは違うのですが、現在不妊に悩む世代からも「もっと早く知りたかった」 という声はよく聞かれますので、1つのアプローチとしてプレコンセプションケアを捉えていきたいと考えます。

各自治体も啓発に力を入れはじめていますから、ホームページなどを検索してみることをお勧めします。
例えば地元、兵庫県のサイト↓
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/r6prekon.html

 

さて、生殖医療も進化してきましたし、重要なプレコンセプションケアの1つとして社会的卵子凍結という選択肢があります。

東京都や山梨県、大阪府などの自治体が卵子凍結への助成を開始/予定しています。

不妊治療を専門とするクリニックでも卵子凍結を行っているところが増えました。

はたして卵子凍結は将来子どもを持ちたい時のための保険となりえるのでしょうか。

学業やキャリア、仕事との両立、あるいはパートナーがまだいないなどの理由で将来のために卵子を凍結保存することを社会的卵子凍結と呼びます。

現在、34歳までに20個の卵子を凍結すると60%の割合で将来妊娠できる、と言われているそうです。
(あくまで統計的な数字なので、あてはまらないケースも多かろうとは思います。)

もちろん若い時の卵子のほうが可能性は高まるでしょうが、凍結保存するための費用は長期間かかります。

採卵するまでにも何度も通院してホルモン検査や注射なども必要ですし、それらすべてが女性への負担となります。

実際に卵子凍結を選択した人も、やろうと思ったきっかけは友人知人など周囲でやっている人がいて勧められたということが多いようです。
なかにはブログなどのネット情報、有名人やインフルエンサーなどの影響もあるそう。

卵子凍結にともなうリスクや詳細は不明ながら進めていく傾向はあるみたいですね。

それだけ危機感を感じての決断だったと言えるのではないでしょうか。

実際には、卵子凍結は受精卵の凍結よりも受精、受胎の確立が下がります。
採卵数や卵子の質も人によって個人差があり、採卵回数やかかる費用も幅があります。

そうした事実も理解したうえで踏み切るかは女性の決断にかかっているのです。

正しい決断の一助となるよう、自治体や医療機関は社会全体に対してより多くの情報を提供、啓発していかなければなりません。

若いときから将来に向けて自分の生活や身体について真剣に考えていこう、ということ。

それがプレコンセプションケアだと思います。

少子化は女性だけ、卵子凍結だけで解決できる問題ではありません。

今回の学術集会会長菊地盤先生は、真の少子化対策はジェンダーギャップを埋める努力、つまりそれは社会の仕事だと言われていました。

社会的卵子凍結はそのうちの1つなのです。

 

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