不妊治療がやめられない?

不妊治療は妊娠という結果が出たら終了と認識されているかと思います。
ですが、残念ながら100人中100人全員がそうなるという保証はありません。
よい結果が出ないまま治療が継続していくことになる方が少なくないのです。
そして「次こそは」(期待)と「ダメかもしれない」(諦め)の妊活が続きます。
いったい、いつまで続けたらいいのでしょう?!


最近は卵子提供という方法がありますので、
40代後半から50代の方も治療継続されるケースも増えました。
自分の卵子にこだわるのでしたら、「採卵できる限りは続けたい」
という方が多いですね。
生殖機能は個人差がありますので、年齢で区切るのは難しいです。
とはいえ、閉経が近づいてくれば卵の質が落ちて受精しなかったり
着床しなかったり、化学流産なども起きやすく、妊娠出産のハードルを
越えていきにくい事態になってきます。
そうなると、期待→落胆のアップダウンを何度も繰り返すことになり、
精神的に非常に辛くなりますし、もちろん身体の負担も大きいです。
高齢妊活の方が増えていますので、治療期間が長引く傾向はあります。
もちろん年齢が若い方でも、自己タイミングからスタートして
順番にステップアップしていって、5年以上という方は少なくないです。
「不妊治療をするということは、こういうこと」という定型はありません。
みなさん、ひとり一人、それぞれの事情があり、条件や思いがあり、
治療を通して苛立ち、焦り、ショック、そして挫折感を経験されています。
それは、直接的な治療の内容やあり方に関わることから、
仕事や家庭の問題、パートナーや両親、親戚、友人との関係性、
そして、ご自身の生き方につながることまで、
多岐に渡るお悩みを抱えていらっしゃるのが常です。
専門クリニックでは、多くの患者さんがいらっしゃるため、
ひとり一人のお悩みに丁寧に寄り添ってもらえるわけではありませんので、
一人で抱え込む方がほとんどなのです。
その孤独の過酷さはほんとうに、見ていて辛いものがあります…
子どもを持つかどうか、という選択は生き方に関わることなので
生き方を変えること、方向転換ができるかどうかが鍵となります。
もちろん、妊活をスタートする時点では希望を持っていただきたいですが、
うまくいかないこともあることは、知っていてほしいのです。
そっちを”見ないふり”が一番よくないのです。
願った結果が出ずに妊活を卒業された方の経験と今の姿から学ぶものは
とても大きいと思います。
辛い治療体験にもがき、精神的な落ち込みを経験され、
そこから【卒業】を受け入れた方々が一番伝えたいことは
「子どもがいても、いなくても、どっちも幸せ」ということだと思います。
いないと幸せじゃない、ということはないんだと
それを忘れないで、と言われているのです。
実は私も、それが一番大切なことだと信じています。
どの道も幸せにつながっています。
「こうでないと幸せになれない」とご自身の幸せになる可能性、
道を狭めないでいただきたいのです。
たくさんの女性たちが退路を自ら断っているのを見てきました。
ご自身を追い込み、身動きが取れなくなってしまった方々。
どっちに行っても大丈夫ですから。
だから安心して、妊活に励んでください。

そして、できれば妊活の期限を決めて、
それまでに良い結果が出なければ方向転換を。
そう決めておくだけで肩の力が抜けて、気持ちに余裕ができるのです。
心のゆとりは身体にもいいのですよ!
現代の女性にとって、キャリアや仕事を通じて得られるやりがいは
とても大きいものです。
不妊治療を経験したからこそ、貢献できる分野もあります。
人間的にも成長されて、より多くの方の役に立てるようになったり、
新たな道を見つけたり、といった展開もあるのです。
不妊治療の失敗は人生の失敗では決してありません。
忘れないでくださいね。
いま現在お悩み中の方。
どうか一人で悩まず、ご夫婦でとことんお話してください。
不妊治療は”夫婦力”が肝心です。
治療は女性の負担のほうが確かに大きいですが、
気持ちは分かち合うことができます。
悩んだときは、ちょっと立ち止まってみましょうよ。
ガイドが必要な方はいつでもご相談ください。
妊活、仕事、家庭、どれも一生懸命な女性の一生を応援しています。
どの道も幸せにつながるのですから・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA